今高研究室 Imataka Lab/xR

獨協医科大学医学部小児科学

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2021.04.23

新しい小児急性脳症治療戦略:Mild-BHT followed by TTM

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 軽度脳低温療法(mild-BHT)とその後の体温管理療法 Target temperature management(TTM)を行い、劇的に改善した出血性ショック脳症症候群(HSES)の小児例の論文がイタリアの学術誌に掲載されました。

https://www.europeanreview.org/article/25553

 HSESは急性壊死性脳症ANEと同様に高サイトカイン血症を主病態とする極めて予後不良な急性脳症です。受診時バイタルはsBP70、HR220のショック状態でICUに収容するも血圧はsBP50-60へ。ノルアドレナリンを頻回ショットして血圧を保ちつつ慎重に体温を下げていき、発症6時間後には目標体温の34.5℃に到達させました。血清サイトカインIL-6は予後不良とされる15,000を超える22,600pg/mLでしたが、徹底したVital管理をしながら7日間以上に及ぶ脳低温療法と体温管理療法を励行し、患児は救命されて神経学的後遺症なく退院しました。

 我々は小児期に発症する最重症の急性脳症に対する新たな治療戦略として、本療法によるエビデンスの構築を目指しています。

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獨協医科大学医学部小児科学
今高研究室は「医療を必要とする子どもの最善の利益」を実現する持続可能な社会(Sustainable Developmental Goals; SDGs)の構築を目指し、小児神経学と医療倫理哲学をベースとした療育の有り方について研究をしています。
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