研究室の情報をもっとオープンに 〜Hey!Labo立ち上げへの想い〜
本日よりリリースした「Hey!Labo」について、Hey!Labo編集長の飯窪祐二さんにお話を伺いました。
研究室を知ってもらうメディアにしたい
ーーHey!Laboはどのようなサイトですか?
飯窪 一言で言うと「研究室」が発信するブログメディアです。
大学の研究室やゼミって、大学で学ぶ中で最も重要な場だと思うんです。それなのに十分な情報発信がされていない。もちろん研究内容については、ホームページで見ることができると思います。しかし、そこからは知ることができない情報、例えば「どのような人がいるの?」「普段は何しているの?」というような、”研究室の雰囲気”があると思うんです。
研究室を選ぶときって、実は具体的な研究内容よりも教育方針や雰囲気、その人との相性が大事なんです。
そのような他では見ることができない研究室の一面を発信できる場、研究室をもっと知るためのメディアとして立ち上げました。
ーーどのような人たちに見てもらいたいですか?
飯窪 主に高校生や大学1、2年生ですね。これから研究室に所属する人に、Hey!Laboを通して研究室のことを知ってもらいたいと思っています。
特に高校生だと「研究室」って全く想像できないと思うんです。そもそも大学ってどんなところだろうってことも分からない。
もちろん研究に興味がない人にも、「大学の研究室ってこんなところなんだ」とか「研究室って面白そう!」みたいに思ってもらえると嬉しいですね。
研究室にもっと情報発信してほしい
ーーなぜHey!Laboを立ち上げようと思ったのでしょうか?
飯窪 私自身も今仕事をしながら博士課程に在籍しているんですが、その中で研究を取り巻く環境に課題を感じることが多いんです。その課題の一つが研究室の情報発信です。研究内容についてはもちろん、研究以外のことも含めてもっと発信していった方が良いと思うんです。
研究内容は、論文や学会発表という形で発信はしています。しかし、それだとその専門家の人しか見ないですよね。
もっと専門外の人に向けた発信っていうのもあっていいんじゃないかなと思うんです。すごく価値のあることをやっていても、知ってもらえなければ埋もれていってしまいます。
それをいかに知ってもらうか。そこまで含めて「研究」っていう捉え方ができるかどうか、特に個人でも発信できる今の時代には、重要なんじゃないかなと思っています。
ーー研究以外のことというのは、どのようなことでしょうか?
飯窪 研究室って実は研究以外も色々な活動をしているんです。例えば、ゼミ合宿でスポーツをしたり、飲み会をしたり。そのようなことも含めた研究室の日常だったり、あとは先生の人柄などでしょうか。
そういう情報ってあまり表には出てないですよね。「そもそも表に出す必要はあるの?」って疑問もあるかもしれませんが、それを見た高校生に研究室の雰囲気を感じてもらえるかもしれない。
実は私自身も高校生の時に、感じたことでもあるんです。
あるテレビ番組で大学の先生と芸人の方がトークする番組だったんですけど、それを見て衝撃を受けたんです。研究内容というより、先生の素の部分、研究への情熱みたいなものに惹かれたような感じでした。
それまでは何のために大学に行くんだろうとか、受験勉強に何の意味があるんだろうとか、考えていたりしたんですけどね。本心から「大学に行きたい!」と思えるようになってから、勉強への向き合い方も変わりましたね。
今勉強していることが何の役に立つのかってやっぱりなかなかイメージできない。意外と研究室の素の部分みたいなのが見えると、勉強のモチベーションにも繋がるんじゃないかなと思ってます。
研究室の価値を広めることが日本の研究の未来に繋がる
ーーHey!Laboはどのような未来を描いているのでしょうか?
飯窪 実際、せっかく希望の研究室に入ったのに絶望してしまう人が結構いるんですよね。「思っていたのと違う!」「やりたいことができない!」とか。それでだんだん研究室に来なくなってしまったり、下手したらそのまま辞めてしまうことだってあります。
せっかく大学に入ったのに、すごくもったいないことだと思うんです。研究室に入ってからがようやく「学問」のスタート地点に立ったと言っても過言ではない。情報発信が増えれば、そのようなミスマッチをなくせるんじゃないかと思っています。
一方で、とにかく卒業さえできればいいから楽な研究室がいいっていう考え方もありますよね。それはそれでやっぱりもったいないなと思います。
真剣に研究に向き合ったからこそ得られるものって物凄く大きいんですよ。それは色々な本を読んだり、勉強したりとかではなかなか得られない。物事の根本的な捉え方というか、考え方の次元が変わるような感覚です。
インターネットでいくらでも情報が得られるからこそ、この感覚を大切にしたい。やっぱり大学ってそういうことを身に付ける場であってほしいんですよね。
研究室の情報がオープンになっていくことで、研究室の価値が広まり、お互いに高め合うような環境になっていくのが理想です。だからこそ研究室がもっと情報発信してほしいと思っていますし、それが日本の研究の活性化に繋がると思っています。