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獨協医科大学医学部小児科学

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2021.03.16

『こども庁』について

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 自民党若手議員を中心に、子ども子育て支援政策を担当する『こども庁』設置の議論が高まっている。少子化・育児・虐待・教育・健康・いじめ・貧困など様々な問題を解決するために、幾つもの府省庁が担当する「縦割り行政」の弊害による対応の遅れが指摘されてのことだ。この度のこども庁創設の背景には、こうした縦割り問題を一元化する狙いがある。

 

 確かに現在の霞が関のシステムでは、子どもの病気は「厚生労働省」でも、食中毒や食の安全は「農林水産省」が担当する。学校教育は「文部科学省」が担当するが、登下校の道路整備は「国土交通省」、途中で事故に遭えば「警視庁」で、いじめがあれば「法務省」が絡み、移民や外国籍の子どもの問題は「外務省」に委ねられている。その上、全体の予算配分は「財務省」が牛耳り、子ども向けの製品は「消費者庁」でその生産は「経済産業省」、未来の地球環境の維持については「環境省」が権限を持っている。これでは何かあっても責任の所在が分散されて分からない。身近なところでは、同じ幼児教育でありながら、保育所は厚生労働省が管轄し、幼稚園は文部科学省が管轄している。インフルエンザの出席停止基準にしても、かつて文部科学省が学校保健安全法で幼稚園児の停止基準を「解熱後2日」としていたが、厚生労働省がインフルエンザガイドライン2009で保育園児に対して「発症5日かつ解熱後3日」と延長した経緯もある。

 今回こども庁が設置されたとして、この複雑怪奇な縦割り行政を どうやって横から串刺しに一元化するのか。私が伺いたいのはそこである。既に似た様な子ども政策の先例として、2007年、第1次安倍改造内閣で「内閣府特命大臣 (少子化担当)」が設立されている。発足当初は非常に注目された少子化担当大臣のポストであるが、僅か13年の間に代わる代わる22人もの政治家が少子化大臣のポストについた。しかし未だにこの国の合計特殊出生率は改善をみていない。つまりこの少子化対策に政治生命を捧げ実績を上げた大臣が誰一人としていなかった訳で、非常に残念なことである。既に少子化問題を克服しているフランスやスウェーデンの政策には学ぶべきことが多い。この度のこども庁の政策提言が、単なる若手議員の人気取りや、こども庁長官のポストが一つ増えるだけの椅子取りゲームであってはならない。

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