森岡研究室
明治大学総合数理学部ネットワークデザイン学科
インタビュー
2020.09.02
ロボットが自律的に活動する社会を目指す|明治大学森岡一幸教授インタビュー【後編】
明治大学総合数理学部ネットワークデザイン学科の森岡一幸教授インタビューの後編です。
前編では、主に研究テーマについてお話を伺いました。後編では、森岡先生ご自身の興味や研究室のことについて深堀りしていきます!
学生時代のテーマは「空間知能化」
元々学生時代から現在のような研究をされていたんですか?
森岡
そうですね。ロボットの研究室ではあったので、ロボットっていうのはずっと変わっていません。
ただ単体の移動ロボットみたいな話ではなくて空間全体をロボット化するという感じですね。
空間全体をロボット化?
森岡
空間知能化っていう言葉を使っていたんですけど、沢山のカメラをネットワークで繋いで、人やロボットが何をしているかどこにいるかということを全部抽出するようなシステムですね。ロボットの目だけじゃなくて空間全体にいろんな目が付いているようなイメージですね。
森岡
僕自身は本当はそういう話にすごく興味があるんです。ロボットがネットワークで繋がっていてそれらが必要な情報を共有したりできるようなロボット社会と言いますか。
人間が普通にやっているようなことをロボットのシステムとして実現できないかっていうことですね。
どのようなことでしょうか?
森岡
例えば、ロボットAがこういう地図を作ってきましたっていう情報があったら、なんか取引してロボットBはそれを使ってこういう行動をして、新しい地図を作りに行く。ロボットCはその地図を買って案内ロボットとして動作するみたいな。なるほど。
森岡
最近流行っていたブロックチェーンを活用してそういうことができないかなと考えています。まあブロックチェーンが本当に必要かどうか分からないですけど、誰が作った情報かとかをきちんと管理して、それらを売り買いできるような基盤を作る。
ネットワークロボットっていうんでしょうかね。
壮大なテーマという感じですね。
森岡
まずは移動ロボットに関して、複数のロボットを大学内に置いてロボットのネットワークを作って長期的に運用したいなということを考えています。学生にこういうの興味ない?って聞くんですけど、途中からよく分かんなくなってきて結局自律走行させるっていう話に落ち着いちゃうんですけど(笑)。
学生もロボットも自律!
学生の指導方針についてはいかがでしょうか。
森岡
研究テーマについては、基本的には「何かやりたいことない?」っていうのは必ず聞きますね。何もなければ移動ロボットの研究はいくらでもあるので、こちらから出すんですけど。
いきなり研究テーマ持ってくるっていうのもなかなか難しいですよね。
森岡
ただできれば自分で何か考えてほしいなとは思っています。なるほど。
森岡
だからダンゴムシの研究なんて最初は何言ってんだろうって思ったんですけど、ちゃんと研究室でやってるような活動とも繋がっていて。測るものがたまたまダンゴムシだったっていうだけで、ロボットじゃないところにもこういう風に使えるんだっていうのは大分意味があったと思います。
学生から学ぶことも多いですね。
森岡
そういう意味ではやっぱり学生には研究テーマを考えさせないといけないんだろうなっていうのはよくわかりましたね。自分の中だけでなんか言ってるだけじゃダメなんだなって。最後になりますが、どのような学生に来てほしいですか?
森岡
自分から手を動かすことに抵抗がない人ですかね。与えられたことだけをやるのではなくて。どこかでミスったら拾ってやるからって。移動ロボットと同じですね(笑)。
正に自律!(笑)
森岡
あとはちょっとぐらいミスっても別に気にしないっていう人ですかね。先ほども言ったようなネジ一個取れてて動かないみたいな本当つまんない話もあるので。
もちろん反省はしますけど、そこでめげずに、失敗しちゃったねっていう感じで軽く受け流せるメンタルというか。
大事ですね。
森岡
何にしてもスピード感を持ってやるっていうのが一番です。グダグダ考えててもしょうがないから、難しいことあったら一緒に考えてやるから聞きに来いよって。
研究室の雰囲気としてはそういうのがあるかなという気はします。
インタビュー前編