数理モデリング研究室

法政大学生命科学部生命機能学科

インタビュー
2020.05.22

「動くもの」が好きな人にはオススメ?数理モデル化の研究の面白さとは| 法政大学伊藤賢太郎先生インタビュー【後編】

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法政大学生命科学部生命機能学科専任講師の伊藤賢太郎先生にお話を伺ってきました。


前編では、現在の研究内容の一例として、粘菌の挙動の数理モデル化についてお話ししていただきました。


後編では、研究者に至るまでの経緯、研究室の様子、現在の研究の魅力などについてお話ししていただきます。



ダイナミックな自然現象を表現したい

伊藤先生は、どうして物理に興味を持ったのですか?


伊藤

高校の時は、実はそんなに「科学少年」って感じではなかったんです。ただ、人生をかけて何かを研究するのもやりがいがあって面白いかもなくらいには思ってて。


物理の授業自体はあんまり真剣に聞いてはいなかったけど、いざ実験の時間となると「面白いからやろう」という感じでしたね。それを機に物理学の道を志しました。


その後どういう経緯で今の研究に至ったのですか?


伊藤

大学に入って物理学を専攻すると、学年が上がるに連れて、段々と量子力学のようなミクロの世界に入り込んで行ったんです。
ただ、僕はもっと自然界とか生き物とか、ダイナミックに動いている自然現象を表現する分野に興味があったので、大学院はそういう研究をやっていた北海道大学の応用数理の研究室に行きました。


応用数理の研究に移ってからは、どういう研究をしていったんですか?


伊藤

北海道大学で博士課程を取得する時は、粘菌にインスパイアされた数理モデルを扱っていて、現実の生物から離れた微分方程式の問題になっていたのですが、博士号取得後は、粘菌の実験も実際に自分でやるようになりました。


その後、広島大学に行って、そこではロボットの研究室とコラボしたり。そして現在法政大学で、粘菌やコウモリを中心に数理モデル化の問題を扱ってるという感じですね。


自分が楽しいと思える研究を続けてこられたんですね!


伊藤

僕は、自分が面白いかどうかをモチベーションに研究していますね。とにかく動いているものが好きなので。自分の興味に従って、という感じですね。



「動くもの好き」にはオススメの研究室!


研究室の学生は、どのようなことを研究されているんですか?


伊藤

学科として、2年生の後期から研究室配属を受け入れています。最初は基礎的なプログラムから初めて、その後各々の研究テーマに着手し始めるといった進度です。


現在は、粘菌の運動を確率過程で表現する研究をしている学生や、魚とか鳥が群れて運動する数理モデルを扱っている学生がいますね。


研究室に入った後に、プログラミングや数学を教えていく機会があるということですか?


伊藤

そうですね。生命科学部は入試で数学が必修ではないので、そういう点にも配慮しながら指導をしています。


微分方程式を解くにしても、手計算で解く方法を教えていくというよりかは、シミュレーションをやってもらって実際にどのようなことをやっているのか感覚を掴んでもらうという形で教えています。


数学を扱うので、難解なイメージがありましたが、シミュレーションなどであれば、実際に目で見て分かりやすいですね!


伊藤

うちの研究室では、プレゼンもアニメーションだらけなので、そういうものを見て、やって、楽しいと思える人だと、僕の研究室は楽しいかな、と思います。


粘菌を使って実験をすることもあるんですか?


伊藤

はい。粘菌は実は菌核という乾燥粘菌みたいな状態で保存することができます。実験しないときは乾燥状態にしておいて、実験したいときは寒天の上に乗せて……インスタント粘菌みたいな感じですね(笑)。



数理モデル化の魅力とは?

最後に、伊藤先生の研究の魅力について教えてください。


伊藤

僕は理学の人間なので、数学っていう道具を持っているからこそ、他の生物系の研究者とは違う切り口で、生き物から深く学ぶことができるんです。数学という言語で記述できたからこそ、それを応用できる分野がたくさんあります。


例えば、コウモリって超音波を出して、それを両耳で聞くだけで飛ぶ生き物ですよね。それって、我々が普段使っている視覚情報よりはるかに少ない情報じゃないですか。その中で、コウモリが上手く飛べているのは何かうまい切り口があるんじゃないかなって思って、そういうのを研究しています。


自然界の「上手いやり方」を逆に学んでいくことが面白いところですね。


数学を通して自然界から学ぶということですね!


伊藤

そうですね。
ある論文で実験が行われていたとして、その実験で起きた挙動の理由として「要因Aが考えられる」って考察されていたとするじゃないですか。
僕の研究は、それを実際に数理モデル化して、シミュレーションをすることによって、その考察の説得力を増加させるような立ち位置ですね。



【前編】

粘菌、コウモリ、ロボット……様々な自然現象を数学に落とし込む! 「数理モデル化」ってどんな研究?| 法政大学伊藤賢太郎先生インタビュー【前編】


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